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日本の上位1%のエリートが社会の出来事をわかりやすく解説

「むしろ電柱があった方が美しい」という俺センスある自慢

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電柱を地中化した方がよいか、しなくてもよいのかは災害大国日本ではシビアな問題なので、素人が口出ししても仕方ないのですが、現状として電線地中化は主に美的感覚、つまり景観の美化のためにおこなわれています。日本の各地の伝統的な町並みでは電線地中化が進められているし、東京でも国を代表するビジネス街や官公庁街ではやはり電線はありません。

むしろ電線があった方が美しいというセンス自慢

記事にもありましたが、むしろ電線があった方が美しいという意見。葛飾北斎の絵に電柱をのせた方がかっこいい!みたいなことをいう人がいますが、じゃあ本当に絵画としてそちらの方が美しいと思ってるのでしょうか。確かにデザイン的にうまくまとまっていて、違和感は少ないですが、もし本当にそういうなら単なる天邪鬼だし、天才葛飾北斎に失礼ではないでしょうか。

美観的には電線なんてない方がいいに決まってる

電柱は建物の邪魔になります。建築を見る場合、電柱はない方がよい。自然でも同じでしょう。そりゃ、電線をテーマに写真をとれば、電線の美しい写真も取れるだろうけど、そんなのはどんな対象物でも同じでしょう。小便を美しい発色に見せることだって、大便を味のあるものにすることだって、プロのカメラマンならできます。

日本の町並みは汚すぎるから、電線が目立たないだけ

日本の町並みは、戦後の無計画な開発のため醜い。もとが醜いから、電線があったってなくって同じというのが現状です。むしろ電線があった方が、カオス感が出てよい、というのもわかります。虫の群衆にぞわっとする感じに近い。そういう感性は確かにわかりますが、それって美しいんでしょうか。魅力的というのならわかりますが、美しいと表現するのは語彙力が低いのではないかと疑ってしまいます。

 

ヨーロッパの町並みとアジアの町並み、どちらが美しいか

日本に限らずアジアの町並みは雑然としていることが多いです。途上国から発展していくためには、美観は後回しになってしまうのも仕方ありません。もちろん、アジアにはアジアの魅力がある。人の匂いが濃密で、ウチとソトの境界が曖昧。それは日本の商店街も同じでしょう。一方ヨーロッパの町並みは、建築家と行政が一体となって、コントロールしながら作る。秩序がある町並みを作っています。どちらが美しいと思うかは本当に人それぞれなんでしょうか。それは、著名な画家が描いた絵より、子供の描いた落書きの方が美しい、というような感性に似ています。要するに天邪鬼なだけです。

電柱地中化をすれば即座に町並みが美しくなるというわけではない、というのが正しい

電柱地中化をすれば日本の街並みが美しくなるわけではありません。もともと汚いのですから。結局は、美観のためにはどちらも変えていかないといけないのです。

ボロボロのアパートだから掃除しなくてもよい、とはなりません。アパートを立て替えて、掃除もできるのが一番良いに決まっている。