リアルならば映画として優れていると勘違いする残念な人たち
こちらの記事に、
つーか作品舞台とロケーションなんて作品の良し悪しと全然関係ないんだよ..
いやラストサムライは見ててあんまりにも日本離れした風景に笑っちまったぞ。まああれは考証も相当アレだったし、日本人として主語を大にして怒っていいレベルの出来だったと思う。
2017/12/01 09:42
という人気のコメントがついていたので、少し反論をば。
ラストサムライはトムクルーズ主演で、日本の幕末の、おそらく西南戦争と西郷隆盛をモデルにした歴史ファンタジーもの。なんだかんだ世界的にヒットしました。ちなみに、舞台としては兵庫県の圓教寺が使われている他は、大部分がニュージーランドでのロケでした。
そもそも日本に該当する景観があれば日本で撮っていた
わざわざ、日本とニュージーランドを行き来しなきゃならなかったのも、日本にお目当ての景観がなかったから。それは、戦後急速に経済成長する中で破壊してきた日本にも責任があるのでは。長崎を舞台にした映画「沈黙」も、長崎ではなくて台湾でとっている。それもこれも、日本には古い町並みなんてほとんど残っていないから。
「日本人として」すこしはそれに責任感を持ってもよろしいのではないでしょうか?
映画のリアルと実際のリアルは違う
映画には映画の文法があります。ラストサムライは確かに歴史考証はむちゃくちゃだったし、自分も火縄銃すら使わないSamuraiには愕然としました。とはいえ、それもこれも映画のため。映画はリアリティよりも面白さを重視するものです。リアルでもつまらなければ必要ないのです。
映画の考証は映画の出来とは異なる
「この世界の片隅に」や「シン・ゴジラ」でも散見されましたが、リアル=映画として優れているという勘違いをしている人。それも映画の魅了の一つでもあることは確かですが、それがすべてならば専門家の作った災害シュミレーションや歴史書を読めばいいだけ。それと、映画としての芸術性は全く関係がありません。
そもそも表現の自由とか忘れちゃったの?
別に抗議すれば表現の自由が失われるわけないのですが、よくインターネット上で話題に登るのが、日本の創作に対して、海外や日本のポリティカルコレクトネス勢が文句を言うのを嘲笑するという構図。それと、「日本描写おかしい!」って何が違うのでしょうか。ラストサムライは特別に差別的な意図は感じられなかったし、それこそ日本描写は表現の自由の圧倒的な範疇でしょう。
ようするに面白ければ勝ち
当たり前のことですが、商業映画なんて面白ければ勝ちなんです。そもそも日本の創作のむちゃくちゃな中世ヨーロッパの方が酷い。あれこそ抗議されてもおかしくないのでは。
ハガレンは単なる予算不足
元の話題のハガレンですが、まあ多少おかしな描写はあっても素直にハリウッドに任せればいいと思います。いや、ハガレンって海外人気はそれほどでもないのかな。ならああいうCG多用型の作品は今の日本では不可能でしょう。