論破モンキー。

日本の上位1%のエリートが社会の出来事をわかりやすく解説

TV放映後、『シン・ゴジラ』が一般層から酷評され続けている4つの理由を解説する。

 

シン・ゴジラ

 

オタク界隈と映画クラスタではレジェンド級の扱いを受けているシンゴジラですが、テレビ放映後、Twitterやヤフー映画では酷評の嵐。

ユーザーレビュー - シン・ゴジラ - 作品 - Yahoo!映画

 

twitter上では我が物顔で俺たちのシンゴジラが!と興奮するめんどくさいオタクの人達が散見されたようですが、現実は厳しい。

私の周りでも「盛り上がりにかける」「絶賛されるほどではなかった」などと、あまり評判はよくありませんでした。

オタク界隈と一般層でこれだけ評価が分かれているのにはワケがあります。

この記事では、その理由を4つに分けて、わかりやすく解説してみましょう。

 

 

石原さとみの役柄がダメ

短期留学して勘違いした女子大生にしか見えなかった石原さとみの役が生理的に受け付けないという人たちが多く見られたようで。石原さとみさん自体は頑張っていたようですが、現実のトランプ大統領の実娘であるイヴァンカ・トランプあたりを見ると、見た目や存在の幼さ、軽さが非現実的に見えて興ざめしてしまいます。英語云々は置いておいて、見た目に説得力のある40前後のハーフの女優を使うべきだったのではないかと思います。

 

後半が非現実的な上に盛り上がらない

話題の内閣総辞職ビームを境に前半後半と分けると、リアルに徹して東日本大震災の恐怖をうまく映画に落とし込めた前半に比べて、後半は荒唐無稽な上にヤシオリ作戦が地味という二重苦に陥ってしまっています。その原因として、上であげた石原さとみの影響も大きい。石原さとみの存在感が、アメリカという存在を軽くリアリティのないものにしていて、特撮にありがちな主人公の周りだけにしか世界が存在しないような箱庭感

が出てしまっています。

そして、映画のクライマックスであるヤシオリ作戦。リアリティがなくドラマもないのでは、盛り上がるはずがありません。そもそもオタクの人たちが大興奮した宇宙大戦争のマーチも、無人在来線爆弾も、一般層にそれほど訴求力があるものだったのか、というと疑問です。

 

早口で情報過多、というセリフ回しの限界

映画の特徴である早口で情報過多のセリフ回し。人間ドラマが描けないという庵野監督の短所を、うまく補い最大限魅力にしているという点では成功ですが、やはり失敗している部分も多かったと思います。特に、ヤシオリ作戦がどういうものなのか、という部分はもう少しわかりやすくした方が良かったかもしれません。また、緊迫感のある会議シーンと普段の会話が同じ調子というのもおかしかった。そのせいで、インディペンデンスデイ的な作戦前の演説シーンも、盛り上げるのかリアルにいくのかどっちつかずなシーンになってしまった。

 

ステレオタイプな日本・日本人像の連続

後半にいくにつれ、「日本は~」「日本人は~」というセリフが不自然に多くなります。しかも、それがステレオタイプなもので、今更そんな認識なの?と興ざめしてしまう。そもそも日本人は~みたいな、1億人以上もいる集団を一括りにするのはナンセンスだし、百歩譲ってそういうのはセリフで語るのではなく、映像で感じさせるものでは?

 

まとめ

この映画、初見時の前半は私もめちゃくちゃ興奮して大傑作!と思ったのですが、後半に行くにつれてあれ?となってしまい、観たあと少し時間が経ってみると映画の粗が気になってしまう、というものでした。

東日本大震災をモデルにしているだけあって、国民的映画になる可能性はあったのですが、ビッグインオタクのカルトムービーで終わってしまいそうなのが残念です。